【完】おにぎり恋愛日和‼︎
「ちょっと、俺抜きで話進めないでよ」

私たちのやりとりを見ていた光春くんが、つまらなそうに頬杖えをつきながら口を開く。

「出た出たまた彼氏面」
「彼氏面、じゃなくて正真正銘の彼氏なんだけど」
「へーへー、ごちそうさんです」

「三鈴はれてもアップルパイは譲れないけど」と貴ちゃんはぺろっと舌を出す。私は苦笑いをしながら「アップルパイ焼いた時はこそっと貴ちゃんに連絡しよう」と決める。

光春くんのそれは嫉妬、というかお気に入りのおもちゃを取られたようなスネ具合である。あんな感じだけど、別に当たられるわけじゃないし機嫌が悪いわけじゃないからそのままにしているのだ。

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