【完】おにぎり恋愛日和‼︎
「プリン食べたい、焼きプリン」
「了解」
「え、あるの?」
「もちろん。あとは桃のゼリーとりんごと、他にもいろいろ」

どうやらかなりの量を買い込んできてくれたらしい。思わず「神様だ・・・」と綺麗な顔を拝んでいたら「神様じゃなくて彼氏」と即座に訂正を入れられた。言葉の綾という言葉を知らないのだろうかこの男は。

「取りに行ってくるから待ってて」
「ありがとう」

寝室からいなくなってすぐ電話をしている声が聞こえてきた。

もしや仕事をほっぽり出してお見舞いに来たんじゃないよなと一瞬思ったが、流石にそれはないかと私は起き上がって水分を口に含む。「まだ唇が少しヒリヒリするなぁ」と指先でさすっていると、枕元に置いているスマホから電話を知らせるメロディが鳴った。
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