【完】おにぎり恋愛日和‼︎

だから安心していいよ。と、告げた光春くんの言葉にようやく私の中の覚悟がちゃんとした形になっていく。まだのもやは晴れきっていないけれど、どこか身体が軽くなったような錯覚に陥った。

「ごめんね光春くん。そしてありがとう」
「うん」
「私、行ってくる。頑張ってくる。もっと光春くんに見合うような人になって、必ず戻ってくるから」

そう胸を張って決意を述べて見るも、やっぱり寂しい気持ちは拭えない。

「・・・返してくれなくてもいいから毎日連絡していい?」と尋ねると「俺も三鈴が嫌になる程毎日電話するよ」と返してくれる。

「いや、毎日じゃなくて別にいいけど」
「は?今は“私もする”って返すところでしょ。急に現実に戻らないでよ」
「ごっ・・・ごめんなさい」

謝ると光春くんは「俺だって寂しいには変わりないんだから」と息を吐く。
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