【完】おにぎり恋愛日和‼︎

 ───フロントの方々に見送られてレストランを出た私たち。

泣きすぎて顔面崩壊をしているであろう私は外に出る前に化粧直しをさせて欲しかったけれど、光春くんは「別にそのままでいいよ」と手を取って繋いで歩き始めるもんだから諦めた。

せっかく可愛いワンピース着てるのに顔が・・・と思った時に「そういえば、」と口を開く。

「愛衣さんからの伝言が忘れてた」
「伝言?」
「うん。ちゃんと約束守ってねって」

そう告げると「はいはい」と光春くんは適当に流す。

「何の約束したか、聞いてもいい?」
「あー・・・・貴臣との食事会のセッティング」
「貴ちゃん・・・?」

首を傾げると「あの人、昔から貴臣が好きなんだよね」と面倒臭そうにため息をついた。その約束に「うそ?!そうなんだ・・・!」とテンションが上がった私の声はエレベーターホールに響く。
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