【完】おにぎり恋愛日和‼︎
2年前の私はまさか彼と友人になるなんて思いもしなかった。あの時はまさか人の看病を丸投げされるなんて、突然拉致されて事務所に連れていかれるなんて想像もしていなかったけれど。
「うん!みんなも元気でね、行って来ます!」
でも、みんなと出会えて良かったと今は心の底から思っている。
3人と別れて、私は2個あるうちの1つのキャリーケースを引いて歩き出した。もう1つはギリギリのところまで光春くんが運ぶのを手伝ってくれるらしい。両方ともかなりの重さだったからありがたい。
本当はお気に入りの食器や調理器具も持って行きたかったけれど、荷物に入りきれずそのほとんどの光春くんの家に置いて来てしまった。キッチン周りを重視していない間取りである光春くんの家に全部を収納するには流石に邪魔になるかと最初は処分しようとも考えたが、「どうせここに戻ってくるから別にいいでしょ」と言ってくれたのだ。