【完】おにぎり恋愛日和‼︎

全部私のおかげだと彼らは言うけれど、それは光春くんの積み上げて来たものが結果となって返って来ているだけであって私は何もしていない。しいて言うならば、仕事の忙しい彼の家に足繁く通ってご飯の作り置きを作ったことくらいだ。

光春くんがここ1年で風邪ひとつひいていないのは私の努力の賜物である。

「私は健康だけが取り柄だから安心して良いよ」
「それはどうかな。俺でも雨に降られて熱出したことないし」
「うっ・・・」
「でも風邪引いた時とか、辛いことがあったら言ってよ」

心配くらいは出来るから。そう告げた光春くんは立ち止まる。

どうやらここで、本当のお別れのようだ。
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