【完】おにぎり恋愛日和‼︎
「それじゃあ、行ってくるね」
「うん。あっち着いたら連絡して」
「うん。光春くんが嫌がるほどに写真送りつけちゃうからね」
また光春くんの所に戻ってくると思っていても、寂しく思うのは当たり前である。最後に私たちはどちらからともなく身体を寄せ合って、抱きしめあった。ぎゅうっと隙間を無くすように力を込めれば、その倍の力で抱きしめ返してくれる。
「ちゃんと俺のところに戻って来て」
「うん。光春くん、大好きだよ」
「俺も、愛してる」
その言葉を合図に、光春くんは最後のキスを送る。
数秒してお互いに顔を離した私たちは、一緒になって笑ってしまった。まるでドラマの1シーンを切り取ったようなベタなお別れである。
光春くんからキャリーケースを受け取った私は前を向いて歩き出す。