【完】おにぎり恋愛日和‼︎
「えへへ、髪の毛も軽く巻いてもらったんだ」
「可愛い。とても似合ってる」
「本当?光春くんにそう言われると照れちゃうな」

恥ずかしそうに目線を逸らす三鈴がとてつもなく愛おしくて、内から込み上げてくる何かが思考回路を鈍らせた。

大学時代、たまたま講義の席が隣だった三鈴。

まさか彼女が今も自分の隣にいるなんて、あの頃の自分は想像もしていなかった。
全く天音光春どころかvoyageすら知らなかった三鈴。芸能人に疎く媚を売ることもない彼女を利用してノートのコピーを貰うことにした。

静かで騒ぐこともない三鈴は隣にいても煩わしくなかったから楽だった。

が、少し変なところもあった。

突然人の顔を見ては死神だと哀れんでくる。

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