【完】おにぎり恋愛日和‼︎

「そのまま俺の楽屋で待ってて」

三鈴を知れば知るほど、自分が沼に浸かっていくのが分かった。

昔の俺だったらアイドルの御法度と言われることは決してしなかったのに。
けれど、彼女に関してはアイドルと一般人という垣根なんて考える余裕すら失ったほど。
あの時は、三鈴中心に生活が回っていたと思う。

「え、私邪魔してた?ごめん・・・!」
「違う」
「へ?」

結婚した今も、俺の人生は三鈴で回っているけど。

「そんな可愛い顔、俺以外のやつに見せないでって言ってんの」
「・・・」

彼女が大学卒業後。
海外に行った時なんて、正直毎日気が気じゃなかった。
余裕ぶって送り出したものの、不安でいっぱいだった。


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