【完】おにぎり恋愛日和‼︎
「外でそんなにデレるの、珍しいね」
「嫌なの?」
自覚がないみたいだけど、三鈴は日に日に綺麗になっていった。
本人が気づいていないだけで、向こうでアプローチされていたんじゃないかと思う。
指輪をプレゼントしておいて心底良かったと過去の自分に感謝した。
「ううん、嬉しい」
「じゃあさっさと俺の楽屋に行って」
「はーい」
「じゃあまた後でね」と背中を向けていなくなる三鈴。
出来たら直行して欲しいが、きっと彼女はケータリング現場に向かうだろう。
差し入れで並んでいたあんドーナツに目を光らせていたから。