【完】おにぎり恋愛日和‼︎

幸せそうな顔して眠っているのはいいとして、彼女の無防備さにはお灸を据えないとけない。
鍵のかかっていない楽屋で寝入るなんて、俺の立場からすると気が気じゃない。

「危機管理能力低すぎるんだけど、本当」

綺麗にメイクされたその頬を親指の腹でなぞる。
いつも肌馴染みする色のリップだから、今みたいに赤いリップで染められた唇は新鮮だ。

リップの上から艶のあるグロスを重ねていることで、ぷるぷるしている唇。

今、単純にお腹が空いていたからだと思う。

「少しくらい味見しても起きないかな」

美味しそう、そう思った時にはキスをしていた。

「・・・あっま」

熟れた果実のようで、甘くてとろける。このクセになる感じ。
おかわりの意味でもう一回してみたけど、起きる様子はない。

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