【完】おにぎり恋愛日和‼︎
驚いて目を見開かせる彼女は起きたばかり。
息の仕方を忘れたのか、苦しそうに俺の胸を叩いた。
「おはよう」
「びっくり、した・・・」
「ごちそうさまでした」
まだ呆然としている三鈴の腕を引っ張って、隣に座らせる。
あんなに美味しそうだった赤い唇もさっきのキスで取れてしまって、いつもの可愛い桃色に戻っていた。
こっちの方が自然で可愛くて好きだけど。
見入っているとまた襲われると警戒したのか、彼女は顔をそらした。
機嫌を損ねてしまっただろうかと、その身体を後ろから抱き込んでみる。
「嫌だった?」
「嫌じゃないけれど」
「けど?」
「ちゅーするなら起こして欲しかった」と口を尖らせる三鈴にノックアウト。
何だその可愛い拗ね方は。このまま連れて帰ってもいいかな。早く囲ってしまわないと。