【完】おにぎり恋愛日和‼︎

メンタル崩壊の音が鳴り響く


寒空の下で膝を抱え込むようにして座り込む。

「寒いなぁ」

カラカラと地面の上をタップダンスしている枯葉。
それをただ黙って眺めている私。

だから何だって感じだが、問題がひとつ。

私は今───千堂家の豪邸、つまり夏樹くんの家の前で居座っているのだ。

なぜここに来てしまったのか、分からない。
家を飛び出して、気付いたら千堂家の前にいたのだ。

「うー・・・携帯も忘れてきちゃった」

季節は晩秋。冷たい風が襲ってきて、身体を震わせる。

携帯が無いと夏樹くんを呼ぶことも出来なければ、タクシーを呼ぶことも出来ない。

ずぴっと鼻をすする。
寒すぎて涙も出てきた。

「光春くんのばーか、あーほ、人誑し」

私が家出して路頭に迷っているのは全部光春くんのせいだ。
そうだそうだ。絶対私は悪く無い。

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