【完】おにぎり恋愛日和‼︎
「───おや、何か不穏な匂いがするな」
その時、頭上から知っている声が降ってきた。
おもむろに顔を上げると、にっこりと笑みを浮かべた夏樹くんが立っていた。
「珍しいね、1人で来たのかい?」
現れた救世主。その優しい声色に安心して、溢れてくる涙。
「なっ夏樹くん・・・・!ずぴっ」
「え、泣いてる?!」
***
その後、何か事情を察した彼は「とにかく中に入ろう。身体を冷やすのは良くない」と私を屋敷に引き入れてくれた。
暖炉の前にある椅子に私を座らせた夏樹くんは、ブランケットと一緒にハーブティーを持ってくる。
「僕の家に来たこと、光春は知ってるの?」
「・・・」
何も言わない私に「ゆっくり休んで行くと良いよ」と言って、向かいの椅子に座った。