【完】おにぎり恋愛日和‼︎
人使いの荒い彼とそのお仲間さん
いくつもの雑居ビルが立ち並ぶ街中。
大通りの割には通行人が少ない道で、私は不審者の如くきょろきょろと顔を右往左往させながら立ち尽くしていた。
もう一度トーク画面を開いて、地図を確認する。本屋さんを左に曲がったところまでは絶対に合っているはず。その先の右手に目的地はあるはずなのだ。全国の郵便局員さんは凄い。大尊敬。じゃなくて、目的地はどこですか。
「うーん、確かこの辺だと思うんだけどなぁ」
お弁当が冷めないうちに渡したいのだが、如何せん場所が分かりにくい。
白い建物と言われてもこの辺り全部同じような建物ばかりじゃないか。
確かに「目印になるものもないから迷わないように」と教えてくれたけど、何の解決にもなっていないことを今更気付く。