【完】おにぎり恋愛日和‼︎

なかなか姿を見せない私を心配して迎えにきてくれたのだろうか。

そう思っていたが、たまたま天音さんが窓に顔を寄せた時に、阿呆ズラで外を歩いている私を見つけたらしい。

阿呆ズラってさすがに失礼しすぎやしないか。せっかくお弁当持ってきたのに。そう思いながらも「むむむ」と文句を飲み込む私に天音さんはさらに攻撃を仕掛けてくる。

「方向音痴なの?」
「違います」
「まぁどうでもいいけどさ」

だが、特に興味はないらしい。

まぁ深入りされたところで面白味のある話なんて出来ないけれど。それに方向音痴に関して多少自覚はあるので、その辺りは静かに黙っておく。

「多分冷えきってはいないので、早めにどうぞ」

早速、本日の日替わり弁当が3個入ったビニール袋を渡した。
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