【完】おにぎり恋愛日和‼︎
「はい、どうぞ」
「アンタは食べないの?」
「んー・・・今は甘いものが食べたい気分なんだよね」
すると天音くんは何かを思い出したようにバッグの中を弄る。
「じゃあお礼にコレあげる」
「えっ待って、高級チョコだ・・・!」
出てきたのは某有名チョコレートショップのお菓子だった。ひと粒数百円する高級チョコである。「貰っちゃっていいの?!」と尋ねると、彼はどうぞと頷いた。どうやら昨日事務所の人に貰ったっきりカバンの中に入れっぱなしだったらしい。
「天音くんは甘いもの苦手だったりする?」
「苦手じゃないけど、あまり進んでは食べないかな」
「そっか。じゃあ遠慮なく頂きます」
早速その場で箱を開けて、定番のトリュフをひと粒口に放り込む。その瞬間に広がってくる甘さに思わず目を見開いた。