【完】おにぎり恋愛日和‼︎
まぁもともとカップの半分くらいしか水は入っていなかったから、被ったとはいっても髪が濡れたくらいで洋服はそんなに目立ってはいないのは幸いだ。グレーの服を着てこなくて良かった。まぁ濡れないに越したことはないけれど。
「あーあ、でも次の授業までに乾くかなぁ」
「乾く乾かないじゃなくてさ、普通もっと怒るでしょ」
きっと天音さんは水を掛けられても文句のひとつも言わない私が気に入らないんだと思うが、「俺が原因でもあるけどさぁ」と口元を歪めている。
彼は水を掛けてきた彼女だけではなく、私に対しても怒っていた。
「天音くんは何も悪いことしていないんだから、気にしなくて良いよ」
「・・・・」
「ほら、次の講義室行かなきゃ」