【完】おにぎり恋愛日和‼︎
じゃなきゃ先生も人も沢山野次馬がもっと増えちゃうよ。と、私は黙ったままの天音さんを横目に、所々濡れてしまったテーブルと近くの台拭きで拭いて食堂を出る準備をする。
そしてカバンを持って移動を始めたところで、動く様子がない天音くんに気づいた。
「?・・・天音くん、」
「あのさぁ」
その目は女性に向いている。その瞳はあまりにも暖かみを感じられなくて、この時初めて天音くんのことを少し怖いと思った。
あまり揉め事を起こさない方が天音くんの為にもなるはずなのに、緊迫した空気感の中で私は口を挟むことが出来ない。出来ない、というよりも「何もアンタは口を出さないで」とそんなオーラを彼の背中から感じる。
お願いだから、事を荒立てませんように。