【完】おにぎり恋愛日和‼︎
「その状態じゃ行けないでしょ」
その状態、とは私の頭がずぶ濡れの件らしい。リュックできていた天音くんはフェイスタオルを取り出して、私の頭にばさりと被せる。柔軟剤の良い匂いがふわりと降りてきた。これまたお高級そうな柔軟剤の匂いである。甘すぎず上品なフローラルの香りが鼻をくすぐる。
「わ、」
「遅くなった俺も悪いけどさ、水掛けられる前に逃げようとはしてよね」
そしてわしゃわしゃと私の髪の毛を拭き出した。男の人だからか力が強くて、頭ごとぐわんぐわんと揺れ動く。容赦ないな、この人。抵抗するとまた怒られるだろう。そう思って暫くの間されるがままにしていると、満足したのかタオルを顔に投げつけて暖房のスイッチを入れた。
「ドライヤーないからせめて温風が届く場所に座って」
「はぁい」
1番よく温風が届く場所に配置された椅子に座る。ダイレクトに届く温かさに思わず「あったかい」と口から漏れた。
その状態、とは私の頭がずぶ濡れの件らしい。リュックできていた天音くんはフェイスタオルを取り出して、私の頭にばさりと被せる。柔軟剤の良い匂いがふわりと降りてきた。これまたお高級そうな柔軟剤の匂いである。甘すぎず上品なフローラルの香りが鼻をくすぐる。
「わ、」
「遅くなった俺も悪いけどさ、水掛けられる前に逃げようとはしてよね」
そしてわしゃわしゃと私の髪の毛を拭き出した。男の人だからか力が強くて、頭ごとぐわんぐわんと揺れ動く。容赦ないな、この人。抵抗するとまた怒られるだろう。そう思って暫くの間されるがままにしていると、満足したのかタオルを顔に投げつけて暖房のスイッチを入れた。
「ドライヤーないからせめて温風が届く場所に座って」
「はぁい」
1番よく温風が届く場所に配置された椅子に座る。ダイレクトに届く温かさに思わず「あったかい」と口から漏れた。