【完】おにぎり恋愛日和‼︎

化粧道具持ってきてたっけなぁ、と呑気に考え事をしていた私に「はぁ」と天音くんはため息を吐く。

「あぁいうのは無視していいから」
「えぇ?無視は良くないですよ」
「過激派のファンって、何をするか分からないんだから」

もしも今日みたいに水じゃなくて刃物だったらどうするの。と、なんだかさっきからずっと天音くんは機嫌が悪そうだ。有無を言わさない雰囲気に私も自然と萎縮してしまう。

「警察沙汰になるケースだってあるんだから、もうちょっと警戒心持って」
「・・・はーい」

まぁ、相手が逆上してしまったのは私の所為である。今回は失敗してしまったが、次回から上手くかわせるように頑張ろう。なんて、今日みたいな事があるかも定かではないけれど、反射神経だけは鍛えるに越したことはない。
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