【完】おにぎり恋愛日和‼︎
「現実にあんなこと、あるんだね」

天音くんと行動を共にした初期の頃から多少の嫌がらせは覚悟はしていたつもりだった。
信頼を失くすような友達は同じ学部にはいなかったし、何も私は失うようなものが無かった。だから、のほほんと無防備に構えていた。

しかし身をもって現実なると、それはそれで驚いてしまうものである。

「・・・怖かった?」

天音くんは怪訝な表情で、そう尋ねてくる。きっと、彼は責任を感じているのだろう。自分のせいで私が水を被ることになったと、そう思っているのだろう。まぁ実際にそうなのだが。しかしそうだとしても、天音くんが自分を責めることはして欲しくなかった。

私はふるふると首を横に振る。

「ううん。ただ、天音くんは何も悪いことしていないのになぁって」
「俺?」
「ただ頑張ってアイドルしているだけなのに、知らないところで自分がトラブルの種になっているんだよ?」
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