【完】おにぎり恋愛日和‼︎

「こんにちはーって、何その顔。かつてないほどの死神フェイスだよ」

黒の上下スウェットで出てきた天音くんは、それはもう何度か人殺しましたかってほどのひどい顔をしていた。「うるさい」と返ってきたが、いつもの言葉のとげとげ感はないし随分気怠そうである。

想像以上に弱々しい姿に何だか可愛く見えてきてしまって、思わず頬が緩んでしまった。それに気分を害したのであろう、彼はムッと不機嫌そうに口を噤む。

危ない、このままじゃ直ぐに追い出されてしまう。そう思った私は身体の具合を尋ねる。

「いつから体調悪かったの?」
「昨日の夜」
「何か食べた?」
「水」
「水?!それは食べたうちに入らな、・・・食欲は?」
「・・・少しなら」

どうやら薬も飲んでないらしい。それじゃあ治るものも治らないと、図々しいのは承知だが家に上がらせてもらうことにした。

 
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