【短編】ヴァンパイア総長様はあざとかわいい
「それで信じないって言うなら……直接首筋にかみついちゃっていい?」
「え⁉」
とっさに両手で首を隠して一歩下がった。
古賀くんがヴァンパイアでもそうでなくても、首筋をかまれるとか痛そうだし恥ずかしい。
「ごめん、冗談だって。許可もないのにかんだりしないよ」
困り笑顔の古賀くんに警戒心を抱く。
でも、その警戒心を消してしまうほどの天使の笑みを向けられた。
ニッコリと、目には悪戯っ子みたいな色が見えたけれど、私はまんまとほだされてしまう。
「でもかむ以外で信じてもらおうとするなら……」
「え? ちょっ、なに?」
一歩分空いた距離を詰められて、戸惑っている間に膝裏に手を入れられた。
気付いたら、私は古賀くんにお姫様抱っこされていたんだ。
「っ⁉」
声もなく驚いた私は、心の中で叫ぶ。
え? え⁉ なにこれナニコレ⁉
どうして私抱っこされてるの⁉
「じゃあ跳ぶから、しゃべんないでね。舌かんじゃうから」
「え?」
どういうこと? と聞く前に、古賀くんが足に力を入れるように少しかがんだ。
まさか、と思ったときには地面が遠くに見えて――。
「っ!」
ぎゃあぁぁぁぁ!!
悲鳴はのどの奥から出すことすら出来なくて、私は古賀くんの首に腕を回して落っことされないようにギュッと掴んだ。
「そうそう、ちゃんと捕まってろよ?」
その言葉の後は……二度と体験したくないと思った。
「え⁉」
とっさに両手で首を隠して一歩下がった。
古賀くんがヴァンパイアでもそうでなくても、首筋をかまれるとか痛そうだし恥ずかしい。
「ごめん、冗談だって。許可もないのにかんだりしないよ」
困り笑顔の古賀くんに警戒心を抱く。
でも、その警戒心を消してしまうほどの天使の笑みを向けられた。
ニッコリと、目には悪戯っ子みたいな色が見えたけれど、私はまんまとほだされてしまう。
「でもかむ以外で信じてもらおうとするなら……」
「え? ちょっ、なに?」
一歩分空いた距離を詰められて、戸惑っている間に膝裏に手を入れられた。
気付いたら、私は古賀くんにお姫様抱っこされていたんだ。
「っ⁉」
声もなく驚いた私は、心の中で叫ぶ。
え? え⁉ なにこれナニコレ⁉
どうして私抱っこされてるの⁉
「じゃあ跳ぶから、しゃべんないでね。舌かんじゃうから」
「え?」
どういうこと? と聞く前に、古賀くんが足に力を入れるように少しかがんだ。
まさか、と思ったときには地面が遠くに見えて――。
「っ!」
ぎゃあぁぁぁぁ!!
悲鳴はのどの奥から出すことすら出来なくて、私は古賀くんの首に腕を回して落っことされないようにギュッと掴んだ。
「そうそう、ちゃんと捕まってろよ?」
その言葉の後は……二度と体験したくないと思った。