【短編】ヴァンパイア総長様はあざとかわいい
「……うまっ」
私の指から口が離れたと思ったら、さっきまで弱々しかった顔がパッと明るくなったように見える。
実際顔色も良くなった気がする。
「なあ、あんた名前は?」
いきなり元気になった男の子に突然名前を聞かれたけれど、あまりの変わりように目を白黒させていた私はすぐに答えられなかった。
そうしたら、男の子の方が先に名乗ってくれる。
「俺は古賀怜央。なぁ、あんたの名前も教えてくれよ?」
「っ⁉」
上目づかいで見上げてくる男の子――古賀くんに私の心臓はまたギュンって変な音を鳴らす。
だからっ!
その顔で上目づかいとか可愛すぎだからっ!
ドキドキ早鐘を打つ心臓を何とか抑えて、私も名乗った。
「私はっ……柳沢緋芽」
「ヒメ? へぇ、いい名前じゃん」
そう言った古賀くんは、あくどい感じにニヤリと笑う。
さっきまでの天使みたいな可愛さはどこに行ったんだろう?
「よしっと!」
掛け声をつけて立ち上がった古賀くんは、もうすっかり元気になったのかシャキッと立つ。
そうすると私より頭一つ分背が高かったことが分かる。
今度は見下ろしてくるキレイな顔。
でも、どこか得意げな表情はちょっと意地悪そうにも見えた。
キレイな顔でその表情だと、男の子らしさが増して可愛いよりカッコよく見える。
さっきから私の左手を掴んだままの古賀くんの手も、男の子らしい硬い手をしてた。
私の指から口が離れたと思ったら、さっきまで弱々しかった顔がパッと明るくなったように見える。
実際顔色も良くなった気がする。
「なあ、あんた名前は?」
いきなり元気になった男の子に突然名前を聞かれたけれど、あまりの変わりように目を白黒させていた私はすぐに答えられなかった。
そうしたら、男の子の方が先に名乗ってくれる。
「俺は古賀怜央。なぁ、あんたの名前も教えてくれよ?」
「っ⁉」
上目づかいで見上げてくる男の子――古賀くんに私の心臓はまたギュンって変な音を鳴らす。
だからっ!
その顔で上目づかいとか可愛すぎだからっ!
ドキドキ早鐘を打つ心臓を何とか抑えて、私も名乗った。
「私はっ……柳沢緋芽」
「ヒメ? へぇ、いい名前じゃん」
そう言った古賀くんは、あくどい感じにニヤリと笑う。
さっきまでの天使みたいな可愛さはどこに行ったんだろう?
「よしっと!」
掛け声をつけて立ち上がった古賀くんは、もうすっかり元気になったのかシャキッと立つ。
そうすると私より頭一つ分背が高かったことが分かる。
今度は見下ろしてくるキレイな顔。
でも、どこか得意げな表情はちょっと意地悪そうにも見えた。
キレイな顔でその表情だと、男の子らしさが増して可愛いよりカッコよく見える。
さっきから私の左手を掴んだままの古賀くんの手も、男の子らしい硬い手をしてた。