司先輩、甘すぎです…
迷子とイケメンさん。
なんとなくで歩いていたら、よく分からない場所に来ていた。
私のバカっ!
ここは敷地が広いから、勘で歩いてたら絶対に迷うってよく考えたら、わかったのに…
いや、今、後悔しても遅い。
後悔したって何も変わらないんだから、しょうがない。
よしっ!
パンッ
自分の頬っぺたを勢いよく叩いて、気を取り直す。
とりあえず、本校舎を探そう。
今、私がいるのは…たぶん旧校舎。
この学園は昔の校舎を壊さず、かと言って
放置せずちゃんと管理している。
ただ、建物自体は建て直したりしてないから、ふんわりと木のいい香りがする。
ってそんなこと考えてる場合じゃないっ!
早く本校舎見つけて、入学式に向かわなきゃ。
焦りながら、旧校舎から本校舎へつなぐ入り口を探す。
思わず足が走り出していた。
全速力でしばらく走っていると、道が開けてきて、入り口のようなものがあった。
もしかして…入り口かな!?
そう思って、急いでそれを通ったけど、
目の前に広がった景色は、ガラスに覆われた室内プールに光が穏やかに差している、そんな光景だった。
「え。」
こんなところに室内プール?
なんで?
そう思ったけど、旧校舎は部室に使われているとそういえば、お母さんが言っていた気がする。
とりあえず、今自分がいるのは…水泳部の部室、だと思う。