司先輩、甘すぎです…
ビクッ
まさか人がいるとは思わず、反応してしまう。
…誰だろう。
振り返ろうとしたけど
今、私にはそんな気力は残っていなかった。
何かを察してくれたのか、彼は何も言わない。
すると、突然ふわっと体が浮く。
はえ?
彼は、私を引き寄せて横抱きにした。
ん?
いわゆるお姫様抱っこだけど、なぜ?
というか、どうして私は抱き上げられてるんだ?
私は気分は悪いことも忘れて、心の中で
疑問符を浮かべる。
それに…彼の顔が近い。うん、近い。
というか、今まで気づかなかったけど、
この人イケメンさんだ。