司先輩、甘すぎです…


いや、俺何してんだ?

いつもなら、きっと他の女が同じ状況だったとしても、教師に連絡するくらいで放っておくだろう。
…なのに、この女のことは、体が勝手に動いて、抱き上げていた。
助けないとって本能的に思ったんだ。

俺、どうした?

その女は、目を見開いて固まってるけど、正直俺の方が自分の行動に驚いている。
俺は女が苦手だ。いや、苦手というより嫌悪に近いのかもしれない。

俺の父親はKIRYOという会社の社長。
日本だけではなく世界的にも有名な大企業であるため、俺もよく社交界やどこぞのパーティーに連れて行かれたりもした。
そういう時大抵の人間は、俺の顔や家柄を見て媚びを売ってきた。
別に俺の上っ面だけを見てくるのに、腹が立っているんじゃない。
人間の汚いところなんて今まで腐るほど見てきた。
ただそういう人間の中でも、女には最悪な記憶しかない。
ある事ない事を飽きずにペラペラと喋って、気に入られて取り入ろうとする女達が気持ち悪くて吐き気がしそうだった。
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