司先輩、甘すぎです…
何言ってんだ、俺。
彼氏でも無いのに、こんなこと言って引く…
「はいっ」
引くどころかさっきと変わらない微笑みを浮かべながら、俺の手を取った美琴。
コイツ…本当に警戒心ないな。
心配すぎる…
俺は美琴と手を繋いで、本校舎まで案内して目の前の体育館を指差す。
「ここだ。」
「ありがとうございます!助かりましたっ」
笑顔でそう言った彼女。
「ん。じゃ、まぁせいぜい先生に怒られないようにな。」
まぁ、事情話したら、怒られないと思うけど。
よし、じぁあ俺も教室行くか…
ま、どうせ、2年は新入生の入会式の片付けだから、ちょっと遅れても怒られなさそうだが。
というか、俺の立場的に誰も咎めたりしないか。
その時だった。
「あ、あのっ」
突然、大声で呼び止められたのは。
驚きながらも、大声を発した人物…美琴の方へ振り向く。