司先輩、甘すぎです…

…さっきまで顔色が悪そうだったのが嘘みたいだ…
どうやら、秘密基地という言葉に心が躍ったらしい。

「あっ、遅れましたが、あのまずは、助けてもらってありがとうございます!ホント、助かりました!」

さっきまでとは打って変わって、真面目な顔をしている彼女。

「いや、いい。それよりもお前、名前は?新入生だろ?」

「あ、はいっ。
私の名前は、橘美琴です。」

「そう。橘ね。」

「あ、美琴で大丈夫です。」

「…。」

俺はコイツの天然っぷりに驚いて言葉が出ない。

「あの?」

「あのさ、お前、まださっき会ったばっかの奴に名前呼び許して…危機感ねぇーの?」

普通、おかしいだろ。

「いえ、他の男の人、ましてやあったばかりの人にそんな事は言いません。
ただ、あなたは私を助けてくれた救世主だから。」

そうキッパリと言った彼女。いや、美琴。
というか…きゅ、救世主?
救世主って…
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