司先輩、甘すぎです…
「は?案内?その先輩がか?」
私の説明を聞いて司先輩が案内してくれたことに困惑している先生。
「え、そうですけど…」
何かおかしいところあったかな?
「………まぁ、話は分かった。
それにしても、今まで新入生が旧校舎で迷うなんて無かったのに…」
しばらく考え込んだ後、そう言ってはぁと悩ましげにため息をついて眉間をおさえた先生。
うっ、すみません。
「もういい。
自分のクラスの場所に行きなさい。君は何組だ?」
「1組です。」
それならあそこだと教えてもらい、自分のクラスの席に向かった。
「まさか、あれが案内をするだなんて…。…あの新入生が〝天狼〟に気に入られたということか?」
「どちらにしろ、これから面倒なことになりそうだ…」
さっきよりも大きなため息をついて嘆かわしそうに私を見ていたのは、もちろん知る由もなかった。