司先輩、甘すぎです…
目立つよね…
キョロキョロと席を見渡して、自分の座る席を探す。
できるだけ目立たないようにコッソリ移動して、1番後ろの空いている席に座る。
「「美琴?」」
聞き覚えのありすぎる2つの声に呼ばれて恐る恐る「は、はい!」と返事を返す。
もちろん小声でだけど。
私の両隣に座っている優衣と音の声は怒気を纏っていて、恐る恐る顔をそちらに向ける。
「どこに行ってたのか、教えてもらおうか?」
ひ、ひぃー!!
ニッコリと笑った優衣。でも、目が笑ってない。
「し、心配かけてごめんっ」
「そうだよ?今回はめっちゃくちゃ心配したんだからね?」
2人とも表情をこわばらせて怒っていた。
「すいません…」
2人の様子でどれだけ心配してくれたのか、よくわかる。
「全く。それで?どこに行ってたの?」
優衣がそう聞いてくる。
音も「それは、あたしも気になってた…」とつぶやいた。
「えーと、優衣たちとはぐれて、勘で動いてたらなぜか旧校舎に迷い込んじゃって…
それで、旧校舎にたまたまいた先輩に助けてもらってここまで来たの。」
あんまり司先輩のこととかは話さないようにしよう。
それ話したら、どこで会ったかとか聞かれるだろし…私がプールでうずくまってたこと知られちゃう危険性がある…