司先輩、甘すぎです…

「わ、笑わないでください〜!
…あのそれで、ちょっと司先輩に本校舎まで案内してほしいんですけど、いいですか?」
遠慮気味に聞いてきた彼女。

「ん、いいよ。ただ、美琴は本校舎まで案内しても迷いそうだから、入学式会場の体育館まで送る。」

「え、いいんですか!?でも、自分で頼んでますけど…迷惑では?」 

また、遠慮しようとする美琴。

「いや、いいよ。ほんとに迷いそうだし。」

「な、なんかすいません。あ、いや、ありがとうございます!」

言い直した彼女。
俺もありがとうと言われた方が嬉しい。美琴もその意図を組んでくれたんだろう。

「立ち上がれるか?」

まだ、体調が悪いかもしれないしな。

「あ、はいっ。
少し寝たからか体調も良くなりました!」

…よかった。
そう思った自分に本当にどうした?と自問自答する。
それに、いつの間にか普通に話してるし。
こいつへの、警戒心が今は全くと言って無い。
さすがに会ったばっかりだから、警戒してたけど、そんなの話してる内に吹っ飛んだ。
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