司先輩、甘すぎです…



「はぁ?なんで、旧校舎に迷い込むのよ?」

「だから、勘で動いてたら…」

「勘で動くな。」

ビシッと音にデコピンされる。
痛い…
音は馬鹿力だ…
ジンジンする額を抑える。

「でも、その先輩に感謝ね。
旧校舎は本校舎とずっと離れてるから、1人で戻るなんて到底土地感覚がないとできないわ。」
「うん…」

優衣の言葉に素直に頷く。
私だけだったら、絶対無理だったから…
ホント感謝だ。司先輩には。

「で?」

「うん?何?」

何か聞きたそうな2人に首を傾げる

「何じゃないわ!
その先輩についてよっ。どんな人だったの?」

「え、そんなことが気になるの?」

「そんなことじゃないわよ!!」

いや、本当にそんな些細な事、気になる?

「はいはい。
とてもいい人だったよ。色々、気遣ってくれて…」

「ふーん…そうなんだ?」

何やらニヤニヤ笑う優衣。
え、何?

「その先輩に会ってみたいわー
美琴を助けてくれたお礼もしたいし。」

「うん、それはあたしも」
そう思っている。

「あーやっと、美琴にも春が来たか〜」
「え、まさか…」
またまたニヤニヤ笑う優衣と相対的に顔が青ざめる音。
それにしても…いつにも増して優衣がテンション高いなぁ…
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