司先輩、甘すぎです…

「そのまさかよ〜。やっとだわ!」

「なんの話?」

「ん?ついに美琴にも恋する季節が来たって話。」

は?恋?
まさか司先輩にっ!?

「ち、違うよ!?本当にそうゆうことではなくてっ」
変な誤解を生んでそうなので、そう否定する。

「何が違うの?
美琴のさっきの先輩について話す顔、乙女の顔だったよ?」
うっ、そうだったの?自分の顔なんてわかんないし…

「もう、違うからっ!!!!」

そう叫ぶと、「橘、うるさいぞ!」と担任の先生のカミナリが落ちたのでした…

ハァー先生に怒られた…
しかも、ミッチリ。

「ドンマイ〜」

そう言って肩を叩いた優衣。
元はと言えば…
ジトっと恨めしい視線を送ったけどニヒッと悪気の無さそうな笑みを返された。
もう…!
今更だけど、いまは教室へ移動中。
あー本当に恥ずかしかった。
さっきの先生に怒られたことが脳裏をよぎる。
全新入生の前でお説教を食らわされた…
まぁ、自分の責任なんだけど…
あーもう思い出しただけで、恥ずかしい。
これは黒歴史になりそう…
そんなことを思いながら、教室に向かう。
ここは敷地が広いから、体育館から一年の教室まで結構ある。
広いと言うのも困りもんだなぁ。
やっと教室に着いて、中に入る。
これから、この1年間ここで過ごすんだと思ったら、なんとなく実感が湧いた。
…私はもう高校生なんだって。
まぁ、入学初日に入学式に遅れるなんてヤバいんだけどね。
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