司先輩、甘すぎです…
そう思って、また彼の顔を眺める。
前を向いている横顔はなんというか。
美しさとそして冷たさだった。
まるで、拒絶しているような迫力がある。
長いまつ毛。瑠璃色のキレイな瞳と髪。
髪質良さそ〜
制服も抜群に着こなしている。
着崩しているけど、そこまでチャラチャラしていないし、これはモテそうだな〜
他人事のように思った。
まぁ、別にイケメンに興味があるわけでもないし。
「あの。」
思い切って話しかけてみた。
「あ?」
彼はなんだか懐かしさのある声でそう言った。
あれ、無視されるかと思ってたのに。
まぁ、めっちゃ低ーい声だけど。
「私、隣の席になった橘美琴です。
よろしくお願いします。」
初対面だし、男の子だから、敬語になってしまう。
「氷室凌。」
名前だけ言って、彼は黙り込んだ。
「そうなんだ。氷室くんね。これから色々迷惑かけるかもだけど、嫌だったら言ってね。」
それだけ伝えておく。
でも、氷室くんは何も言わない。
仲良くは…なれなさそうだな。
氷室くん、なんか私を拒絶してる感じがするし。
そう思っていると