司先輩、甘すぎです…


「ねぇねぇ、あの子達かわいいよね!」
「わかるー、ってか芸能人かな?」
「あそこだけオーラ違うもんね。」
「めっちゃかわいい子いるんだけど!」
「マジか。ホントだ…。
うわー同じクラスなったらアタックしてみようかな。」
「お前じゃ無理だろ。あーいうのは高嶺の花なんだからさ。」

なんかヒソヒソと噂されてる気もするし…
男の子の声も女の子の声も聞こえる。
高嶺の花とかかわいいとか…
きっと優衣と音のことだ…うんうん2人ともかわいいしまさに美少女って感じだもんね!
それに比べて私は普通だな。
まぁ普通が1番だよね!

…でもこの目、目立ってないかな?
それが実は1番入学する上で心配だったんだよね…
私の目は淡い水色なんだけど、黒髪だからどうしても浮かないかなって心配なんだ。
別にこの目が嫌いとかそういうわけじゃないけど…目立つとか浮くのはあんまり好きじゃないからなぁ…
そう考えていると急に声をかけられた。

「あの」
「?」
誰だろう?優衣達の声でもないし…
首を上げると、背の高い男の子が緊張した面持ちで目の前に立っていた。
私と同じコサージュをつけてるから、彼も新入生だよね。
「えと、私ですか?」
自分を指差して首を傾げた。
私で合ってる…よね?
「あ、はいっ!あ、あの…」
何だろう?
頬をほんのり染めて言い淀んだ彼。
な、なんか言いにくいことなのかな?

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