司先輩、甘すぎです…

「あはは、何言ってるの?」
「これで自覚なしとかヤバすぎる…
みんな、美琴ちゃんのこと、あのハイエナ男子達から守ろうね!」
そんな私を見て顔を真っ青にした春ちゃんが、他の女の子達とそんなことを宣言をしていたなんて私は、全く思いもしなかった。

「あ…」
そうだ、忘れてたけど司先輩のクラス聞こうと思ってたんだった!
「あの春ちゃん、桐谷司って先輩のクラス知ってる?」
春ちゃんも外部生だけど、とても学園について詳しくから、とりあえず聞いてみる。
「桐谷先輩?
桐谷先輩って水泳部のエースで成績学年トップのあの!?」
「は、春ちゃん知ってるの?」
「そりゃ、もちろん!
超イケメンでクールだけどかっこいいって学外でも有名だもん!」
そ、そうなんだ…
初めて知る司先輩の話に驚く。
ていうか…司先輩って水泳部だったんだ…

「って…もしかして、その桐谷先輩が美琴ちゃんの気になる人、とか?」
楽しそうに小声でこっそりそう聞かれて、
「…うん」
小さく弱々しくそう呟いた。
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