司先輩、甘すぎです…
「変じゃないです。全然、これっぽっちも!
確かに先輩が可愛いもの好きっていうのは意外ではありますけど、ギャップがあってかわいいと思いますっ!」
「そんな食い気味に話さなくても…」
本音を包み隠さずそう言うと、必死すぎて笑われてしまった。
先輩がさっきマスコットをあげた時と同じ穏やかな表情を浮かべたから、私は少し安心した。
「じゃあ、他のやつやりましょう!司先輩、さっきはとれなかったみたいですし。」
「…言ったな?絶対勝つ。」
「上等ですよ!」
お互いに宣戦布告して、私たちはゲーム台に向かった。
1時間後
「ゔう…ま、負けました…。」
なんと、UFOキャッチャー以外全て司先輩が全勝してしまった。
ゲーム自体すごく上手かったし、なんなら本当にゲームセンター2回目か疑うところだ。
「ほんとにゲームセンター2回目ですか!?」
「ほんとだよ。てか、美琴が弱すぎるんじゃないか?」
「む、失礼ですね!第一、マリ○カートでは僅差だったじゃないですか!」
「でも、俺が勝っただろ?あそこで減速したら、抜かれるのは確定だぞ。」
負けじと言い返したら、ごもっともなことを言われてしまった。
「司先輩はゲームとか好きなんですか?」
「んー、まぁ楽しいし好きかな。廃人レベルじゃないけど。」
「流石にそれは極端ですよ…」
「だなw」
話すの楽しいな…
先輩だから気を使ったほうがいいかもと思ったけど、そんなことは全くなくて自然体で楽しめてる。
これはもしや、私の方が得しているのでは?
そう考えてはっとする。
「せ、先輩!ゲーム負けちゃいましたし、なんか奢ります!」
元々、先輩のお礼のために来たのに、私が得をしてどうする!?
そう思い提案したのに先輩にすぐに却下されてしまった。
「別にいらない。そもそもそういう約束じゃなかったし。」
「いやっ、こう私の意を汲むと思って!
そもそも先輩、一緒にやったゲームほとんどお金払ってくれましたし!私が次は払っていいはずです!」
「なんで競ってんだよw」
そう笑われてしまったけど、なんとか説得して先輩に奢らせてもらった。