司先輩、甘すぎです…

「いや……でも、お前が獲ったんだし。」
「私の恩返しだと思って!」
「はー、わかった。」
そう言うと、司先輩は渋々頷いてくれた。
「はい、じゃあ今度こそどうぞ!」
「あぁ、ありがとう。」
ふわりと嬉しそうに笑った表情に思わずドキッと心臓が高なる。
なんか…これってなんか…放課後デートみたい…!
今更ながらに気づいて、顔に更に熱が集まる。
どうしよう…
…いや、でも先輩は私が何かしたいという思いをくみとってくれた訳で…
きっと、デートだと思ってるのも私だけなんだろうな…
なんだかそう考えると、寂しい。
いや、寂しいって何!?
自分で自分がわからなくなっていると、
「美琴?」
「うひゃあ!」
耳の近くでそう呼ばれて肩が飛び上がる。
「うひゃあ……(笑)」
「笑わないでくださいよっ!」
「ごめんって。というかどうしたんだ?」
「へ?」
「百面相してたけど。」
そう指摘されて、顔に分かりやすく出ていたことがなんとなく恥ずかしくて話を晒す。
< 85 / 88 >

この作品をシェア

pagetop