司先輩、甘すぎです…


「そ、そんなに喜ぶなんて…そんなにこのマスコット欲しかったんですか?」
あまりにも不自然なのに、司先輩は話にのってくれた。
「あー、俺が好きなキャラなんだよ。これ。」
少し嬉しそうに顔を緩める司先輩。
意外な話に平常心を取り戻す。

「これって…ころころあにまるずの犬吉ですよね。私もかわいくて好きなんですよ!」
「……変だと思わないのか?」

共感して頷くと、ひどく落ち着いた声でそう聞かれた。
こちらを見る目は、さっきの穏やかな目とは違う、静かで底がしれない目だ。
でもそれが私にはどこか、強がってるように見えた。
先輩が可愛いのが好きって確かに意外だけど…
全然、おかしくない。
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