司先輩、甘すぎです…

な、なんてね〜流石にそこまではしないよね…
うん、偶然、偶然!
そう自分に言い聞かせた。
「ま、まぁいいじゃん!おなクラになれたんだしさ〜」
音が話を逸らすように誤魔化す。
音、動揺してるのバレバレだよ…
まだ、ちょっと謎が残ってるけど…確かに、同じクラスになれたんだから、別に気にすることでもないか…
そう納得して、話を切り替える。

「そうだね。じゃあ、教室行こっか。」
「そういや、1年生の棟ってどこだったけ?」
「え?まず入学式じゃない?」
驚いたように、優衣が聞いてくる。
「あ、そっか!入学式だ!ってことは体育館?」
「そうなんじゃない?受付の先生いるし。」
「うわ、すっかり忘れてた…」
苦々しい表情を浮かべている音。
「なんか嫌なことあるの?」
「いや、まぁ、ちょっとな。」
煮え切らないな…どうしたんだろう?
まぁいっか。
そう思いながらもら体育館に3人で向かった。
はずだったけど…
2人とはぐれてしまった…
入学式で思っていた以上に人が多くて、あっという間に2人を見失った。
ヤバいなぁ…

っていうか、

「まずは、ここどこ!?」

その問いは自分しかいない木造の校舎で響いた。
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