柊星くんは溺愛したい
第1章
図書室
高校3年間の目標、それは目立たずひっそり生活すること。そして、とある人を見つけること。
「へー!!それでそのイケメンのこと追いかけたの?」
机を向かい合わせにくっつけて昼食を取る昼休み。お弁当に詰めたミニトマトを口の中に放り込んだ。
正面に座ってメロンパンにかじりついているのは同じクラスで幼なじみの池上沙也香ちゃん。
艶やかな長いストレートな黒髪が特徴的な美人さん。人に流されず、自分の意見を自らの言葉で伝えられる自慢の幼なじみ。
昨日のこと、というのは放課後に図書室で起きた出来事のこと。落とした貸出カードを先輩が拾ってくれたのだ。
「追いかけてないよ。でも、お礼言いそびれちゃったからまた会えたらいいな」
「んー、ちょっと長めの茶髪に銀色の細長いピアスを付けた男の先輩……」
考え込む仕草をする沙也香ちゃんは天井から吊り下がっている照明を見上げた。彼女の言葉に私も昨日の光景を思い出す。
「その特徴はあの先輩しか思い浮かばないんだけど、でもあの人が図書室なんて行くのかな」
「心当たりあるの?」
良くぞ聞いてくれました、と言わんばかりに沙也香ちゃんは顔をずいと私に近づける。
「へー!!それでそのイケメンのこと追いかけたの?」
机を向かい合わせにくっつけて昼食を取る昼休み。お弁当に詰めたミニトマトを口の中に放り込んだ。
正面に座ってメロンパンにかじりついているのは同じクラスで幼なじみの池上沙也香ちゃん。
艶やかな長いストレートな黒髪が特徴的な美人さん。人に流されず、自分の意見を自らの言葉で伝えられる自慢の幼なじみ。
昨日のこと、というのは放課後に図書室で起きた出来事のこと。落とした貸出カードを先輩が拾ってくれたのだ。
「追いかけてないよ。でも、お礼言いそびれちゃったからまた会えたらいいな」
「んー、ちょっと長めの茶髪に銀色の細長いピアスを付けた男の先輩……」
考え込む仕草をする沙也香ちゃんは天井から吊り下がっている照明を見上げた。彼女の言葉に私も昨日の光景を思い出す。
「その特徴はあの先輩しか思い浮かばないんだけど、でもあの人が図書室なんて行くのかな」
「心当たりあるの?」
良くぞ聞いてくれました、と言わんばかりに沙也香ちゃんは顔をずいと私に近づける。