追いかけろ、青。
「……公園なんか無いんだけど」
伯母さんのウソつき。
歩いても歩いても見つからなければ、家、畑、田んぼ、小川の繰り返し。
公園の名前を聞かなかった私にも非はあるかと、とりあえずで取り出したスマホ。
「……2キロ先…」
なにをふざけたことを言ってるの、このスマートフォンは。
現在地からいちばん近い公園で、2キロ先だと。
坂道ばかりの田舎道。
電車くらいは通っているだろう駅すら見当たらず、バス停は先ほど見かけたものの、バス自体が本当に来るかどうかも不明。
それに雪解けの道だ、さすがにこれ以上の坂を進むのはやめておこう。
「…もう帰ってくれたかな」
あのケンチャンとかいう町内会?の班長さん。
知らない人だらけの場所に、もっと追加されることだけは勘弁して欲しいのに。
逃げようにも公園は2キロ先だなんて…、
ほんといい加減にしてよ、この町。