追いかけろ、青。




なんて相変わらずな返信に既読がつくと、なぜか震えたスマートフォン。


夕食、夕食後の片付け、お風呂。

おしゃべりな伯母さんと無口な伯父さんへの挨拶。


すべてを済ませて部屋に閉じこもった現在、私は画面をタップした。



「…なに」


『おー、久しぶり。時間はあんじゃね?』


「私だって……忙しい」



正直、誘ってもらえて嬉しかった。


という本音とは裏腹にそっけない言葉を返してしまったのは、森さんという存在が脳内を横切ったから。


下手なことしたら許さない、と言われた。

イコールで私には「友利と関わったら許さない」に変換されたのだ。



『彗、……しんどかったら言えよ俺に』



しんどいよ。
常に、毎日、しんどい。

でもしんどいのは、友利も同じ。
私だけがしんどいわけじゃない。


あんただって毎日の部活だけじゃなく、先輩からの目だったり追いかけてくる過去だったり。


抱えてるもの、あるでしょ。



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