追いかけろ、青。
「でも“俺だけの”って場合は、森じゃねえんだわ」
ごめん、ごめんね友利。
同情的な気持ちで私と接しているんじゃないこと。
誰よりも実感しているのは私なのに。
「それになんつーか、応援団長ってのもあの場を乗り切るために言った適当ってか。
いや、適当でもねーか。でも…彗の場合はそれも少し違うんだよ」
「ちがう?…なにが違うの?」
見上げると、今度は私からパッと目を逸らしたのは友利だった。
「……それはズルすぎじゃね」
「え…?」
「調子狂う」
「っ…!ちょっ、今度は何…!」
夕暮れに染まるにはまだ少しだけ早い頬を隠すみたく、ぐいっと引かれた手。
わ……、
友利の手ってこんなに熱くて大きいんだ…。
「今度はグラウンド行きまーす」
「え、また…?」
「次は俺とキャッチボール。ちょうど部員たちも帰っただろうし、これがお楽しみの本題!」