追いかけろ、青。




「でも“俺だけの”って場合は、森じゃねえんだわ」



ごめん、ごめんね友利。

同情的な気持ちで私と接しているんじゃないこと。

誰よりも実感しているのは私なのに。



「それになんつーか、応援団長ってのもあの場を乗り切るために言った適当ってか。
いや、適当でもねーか。でも…彗の場合はそれも少し違うんだよ」


「ちがう?…なにが違うの?」



見上げると、今度は私からパッと目を逸らしたのは友利だった。



「……それはズルすぎじゃね」


「え…?」


「調子狂う」


「っ…!ちょっ、今度は何…!」



夕暮れに染まるにはまだ少しだけ早い頬を隠すみたく、ぐいっと引かれた手。


わ……、

友利の手ってこんなに熱くて大きいんだ…。



「今度はグラウンド行きまーす」


「え、また…?」


「次は俺とキャッチボール。ちょうど部員たちも帰っただろうし、これがお楽しみの本題!」



< 117 / 377 >

この作品をシェア

pagetop