追いかけろ、青。




学業のほうは大丈夫なのかと多少の心配はあるけれど、なんとかやり過ごしてしまいそうなのが友利だ。



「え~っ!お願いってえ~!!」


「無理だよ」


「そこをなんとか…!!ほんっとーに困ってるの…!!助けてすーちゃん!!」



すーちゃん。

私に初めてできたあだ名を言いながら両手を顔の前で合わせては懇願してくる、ひとり。


ところ変わって高校3年生になった新学期、私自身の生活にも変化があった。



「…そもそも、なんでそんなの受けちゃったの」


「だってだってっ、人数が足りなくて困ってるって隣クラスの友達が言うからさあ~……」


「……本当は?」


「………ユニフォームが可愛かったから」



この八木坂高校にはどうにも、チアリーディング部なるものが存在するらしい。

主に運動部の応援団として試合に同行し、会場を盛り上げることをメインに活動している部なんだと。



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