追いかけろ、青。
まさかその言葉で思考ストップしてしまうなんて。
野球部が勝ち進めば進むほど、応援にも力が入る。
もちろん今回の地区大会にも同行しただろうし、これから始まる夏への予選。
そしていずれは……甲子園という大舞台で。
「……それ…、初心者でもできるやつ?」
「もっちろん!!よくある高い場所で1回転とかじゃなくて、そーいう応援だけに特化したメンバー募集らしいから!」
応援だけに特化した募集……か。
友利には“応援団長”と言われたことがある。
よく分からなかったし、今もよく分からないけど、甲子園は私の夢でもあるから。
「…説明会、いつ?」
「今日の放課後っ!多目的室で!」
「……わかった。話だけでも聞いてみるよ」
「あっりがとうっ!!これで友達にも良い顔できる~っ!」
さすがあざとくて八方美人な悪女キャラだ。
まあ、それはある意味まりなの良い部分でもある気がするけど。
なんていうか、この子といると気楽なんだ。