追いかけろ、青。

第一に、自分。

そこにほんの小さな余裕があったなら、他の子を入れてあげてもいいかな？ってくらい。


宮田も宮田で、小学校の頃からずっと続く友達のような存在は居なかった。


だからこそ、なんだろう。

こいつが自分とは正反対のタイプでもある彗に興味を持った理由は。


───彗なら離れていかないんじゃないかと、期待しているから。



「宮田、おまえは彗の家族のこと…知ってるよな」


「え？あー、うん。知ってるー」



……軽すぎだろ。

もちろん俺のクラスの人間であれば全員が知っていることではあるが、果たしてそれが本当だと信じている人間はどれほどだろう。



「でもさあ。だからどう、ってことでもないじゃん」


「……どーいう意味」


「ここからやってくしかないし、もう生活は始まってるわけだし。
私たちが気にすれば気にするほど、すーちゃんを過去に戻しちゃうと思うんだよねえ～」


「…………」