追いかけろ、青。




「友利が森さんだけを見て、森さんだけに笑顔を向けて、森さんだけを特別扱いする。
そんなあなたの夢を邪魔されたくないだけでしょ」


「…っ、」


「それを友利の夢である甲子園と繋げるのは……都合が良すぎると思う」


「うっさいっ!!わかったようなこと言わないで!!!」


「っ…!」



ドンッッ!と、勢いよく私を押してまでグラウンドに戻って行った森さん。


散々だ、もう。


私だってここまで言うつもりはなかった。

言うつもりはなかったけどっていう、そうだよ都合のいい言い訳なの私も。



「あの、ここの野球部に友利って人はいます?」



今度は校門を出たところ。

フェンスに沿って帰り路を下っていた私に、見知らぬ男の子が聞いてくる。



「友利って人。ここで……ピッチャーとか、してますか?」



また友利関係っぽいし…。

友利への執着が私に飛び火になって飛んでくるの、ほんと勘弁してほしい。



< 153 / 377 >

この作品をシェア

pagetop