追いかけろ、青。
「友利が森さんだけを見て、森さんだけに笑顔を向けて、森さんだけを特別扱いする。
そんなあなたの夢を邪魔されたくないだけでしょ」
「…っ、」
「それを友利の夢である甲子園と繋げるのは……都合が良すぎると思う」
「うっさいっ!!わかったようなこと言わないで!!!」
「っ…!」
ドンッッ!と、勢いよく私を押してまでグラウンドに戻って行った森さん。
散々だ、もう。
私だってここまで言うつもりはなかった。
言うつもりはなかったけどっていう、そうだよ都合のいい言い訳なの私も。
「あの、ここの野球部に友利って人はいます?」
今度は校門を出たところ。
フェンスに沿って帰り路を下っていた私に、見知らぬ男の子が聞いてくる。
「友利って人。ここで……ピッチャーとか、してますか?」
また友利関係っぽいし…。
友利への執着が私に飛び火になって飛んでくるの、ほんと勘弁してほしい。