追いかけろ、青。
俺と同じ学年、中学2年のピッチャー。
そしてエースを張っている久賀 水悠がいる。
何もかもが同じ。
違うのは、右投げか左投げかってところと、速球派の俺と技巧派の久賀。
『…友利、これはチームだよ。あんたひとりで戦ってるわけじゃない』
『わかってる。…監督、せめてこのイニングだけでも投げさせてください』
できる限りの応急措置をしてくれる森は、中学から関わるようなったマネージャー。
小学校も同じではあるが、クラスが離れていたし、とくにそれまではそこまでの接点は無かった。
『……わかった。この回、任せたぞ』
『はい!』
やめておけば良かったんだ。
バッターボックスにそいつが居るからって、変な意地なんか張らずに。
ボールを握るだけで痛みがあったのだから、ここは素直にベンチに下がるべきだったんだ俺は。
─────ドガッッ!!!
『久賀……っ!!』
『おい久賀……!!』
『───…ミユ…っ』
その瞬間、すべてがスローモーション。